Granada Spain スペインの旅のメインテーマであるアルハンブラ宮殿を訪れることができた。 アルハンブラ宮殿は事前に時間を指定して予約できるが、そのチケットをホテルに忘れてしまった。 あわてて取りに帰り、予約時間を過ぎても奇跡的に入館することができた。 一時は日本からここまで来て入れないのかと思っていた私は、涙が出るほどうれしかった。 宮殿の内部は、アラベスク模様が細部まで施されており、見る者を圧倒する。 壁、天井、開口部、現わしの梁まで、刻まれていない所は無いほど装飾が全体を埋め尽くす。 開口部などは、彫刻がそのまま断面となり削り取られていた。 この建物に掛けられた時間と人の手のエネルギーの大きさが、圧倒的な存在感をつくり出しているように思った。 スペインの日差しは夕方でもとても強い。喉がカラカラに乾くほど灼熱の太陽がふりそそぐ中、繊細で彫刻的な装飾や透かし彫りの質感はひんやりと涼しげに感じた。 こうした質感は、砂漠の多いイスラム文化から生まれたのではと思う。 ドーム状の天井は細やかな鍾乳石飾りで覆われている。ハイサイドの小窓からの光に、鍾乳洞のような凹凸の陰影が不思議な彩りを添えている。 これも涼しさの演出だろうか。 庭園のそこかしこに噴水が見られ湧水のような冷たい水をたたえている。 建築には人々の願望や思いが映し出されるのだと思う。