Venezia Itary

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イタリアの旅で、車の無いまち「ヴェネチア」を訪れた。
日本にも歴史的なまち並みは残っているが、ヴェネチアのように生活スタイルごと当時のままを維持し続けているまちは珍しいのではないか。
車だけでなく自転車までも入る余地はなく、すべて徒歩と水上交通を生活の足とするまち。からだに心地よくフィットするようなスケール感だ。今まで自分が生活した場所とは全然違う異空間に入り込んだ錯覚を感じた。150を超える運河にはたくさんの太鼓橋が架かり、運河に向け船着き用の玄関を設ける建物も多い。当然のことだが警察や消防、救急輸送も船舶を利用している。
橋の一つを修理している光景に出くわした。練ったセメントを一輪車に乗せて太鼓橋めがけて押し上げている職人がいた。効率は悪くても手をかけるその相当な労力が、このまちの魅力的を維持しているのだと思った。